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ジャダーとは、何か

ブレーキジャダー(BRAKE JUDDER、略してBJ)て言葉をご存じですか?
BJはブレーキを踏んだ時、車体振動を起こしたり、ひどいときはブレーキペダルが前後に振動し、 足が壊れんばかりになる現象を言います。
一般的には高速で強いブレーキングを行った時に起きやすく、車輪の回転と同じ周期で発生します。

では、何故振動が起きるのでしょうか。主な原因はローターの厚みが不均一なため です(なんと数十ミクロンで)。
ローターを挟み込んだ2枚のパッドの間が、広くなったり 狭くなったりするため、大きな力が発生し、これがサスペンションを通じて車体に伝わったり、 ブレーキの管を通じてブレーキペダルに伝わったりするからです。



ローター歪みの発生原因は、おおよそ、次の3つがあります。
1:ローターの錆
特に塩水のかかるところあるいは寒冷地のように 融雪剤の多いところは注意が必要です。ローターが均一に錆びれば問題ないのですが (但しパッドの摩耗は錆びていないローターの数倍になるが)、所詮これは無理。ローター の車体内側と外側、上と下でも塩水のかかり方は千差万別です。
また錆の粉で表面をレコード盤のように削り込むこともあるため どうしても厚みが不均一になってしまうのです。
2:ローターの熱ひずみ
最近のローターは冷却効果を上げるため、ベンチレーテッドローター(通風口付き)、あるいはパッド摩耗粉を除くためにパッドの当たる部分にドリル穴をあけたものが多く見受けられます。ローターは温度が高くなると膨張しますが、このようなローターは厚さ方向に不均一に膨張しやすくなります。勿論このようなローターは最初からこれらを考慮して作られているので、通常の使い方では問題ありません。
しかし無茶な使い方で、ローター温度を上げすぎるとBJの原因となります。長期間使用したローターも厚みが薄くなったりしているため、BJにつながるおそれがあります。
3:非ブレーキング時のパッドのこすれ
どうしてパッドがローター厚を不均一にするの?と疑問をもたれる方もあると思います。通常、ブレーキング時はパッドがローターに押しつけられ、ローターは均一に摩耗します。ところが、非ブレーキング時に、パッドがローターを僅かずつ摩耗させているのです。ローターはいくら正確に取付けられていても、数十ミクロンの振れがあります。これがパッドと接触するローターの一部分を徐々に摩耗させてしまうのです。非常に弱い力とはいえ、1年間で数千万回もこすれていると摩耗につながるのです。
特にシールが劣化すると、パッドの戻り量が設計値(数十ミクロン)より少なくなるため、こすれやすくなります。



では、発生原因別にその対策を見てみましょう。
発 生 原 因対 策
1.ローターの錆び 錆びないようにすることです。

それには、特にブレーキ回りの洗車を重点的にまめにやることです。もし軽い錆ならペーパーやすりで丁寧に磨くのも良いでしょう。重い錆なら迷わずローターを研磨しましょう(鳴き防止、早期摩耗にも効果があります)。
2.ローターの熱歪み 適正な温度以下で使用することです。

また表面にクラックが入っている場合は、BJにつながりやすいのでローターの研磨をしましょう。ローターの厚みが使用限度以下(通常ローターに表示しています)なら、迷わず交換しましょう。
3.非ブレーキング時の
パッドのこすれ
ブレーキのオーバーホールを十分に行うことです。

車検時にはシール類の交換、キャリパの清掃をお奨めします(鳴き防止にも効果あります)。またローターを摩耗させにくいパッドを使うと効果があります。一般的には、セミメタ系よりもロースチール系の方が効果があります(またもや宣伝になりますが、「アドヴィックス SPORTS」は全て低スチールです)。一旦ローターが不均一になるとやむを得ません、研磨が必要です。なんだかお金がかかりそうですが一枚数千円ですみます。安全を買うなら安いものでしょう。大きな修理工場ならやってもらえます。

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