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ふたつのキャリパーその2

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ふたつのキャリパーその2

キャリパー型式の長所と短所


人間でも長所ばかりで短所のない方はいないと思いますが、前回お話しした 対向型と浮動型にもそれぞれ長所と短所があります。

まず、対向型が装着されているクルマをみると、スポーツカーや高級車、 車重の重いRV、となっています。はっきり言えば、安いクルマには着いて いないということです。これは当然でしょう。シリンダーが1個と4個では 部品点数、製造工程から考えてもコストが大きく違います。


【対向型】  Opposed Type

従って大衆車は浮動型となるわけです。
浮動型は、クルマの内側にしかシリンダーがないため外側を小さくすること ができ、ホイールの設計上、比較的楽になります。 しかし、単にクルマを止 めるだけではなく、コントロール性を考えると、対向型にはかないません。


【浮動型】  Floating Type



キャリパーはパッドが持つ性能を、どのような条件下でも100%発揮させる ことが使命です。そのためには、ブレーキング時のパッドの面圧を均一化させ ることが重要となります。なぜなら、パッドは面圧と温度で特性が変化するか らです。従って、複数のピストンでインナー、アウター共にパッドを押してやる 対向型が、浮動型より性能面で有利であることは当然のことです。 

さらに対向型では剛性が高い構造を生してアルミ素材を用いた軽量化が可 能になります。レース走行でも十分なストッピングパワーとペダルフィー リングにマッチしたコントロール性が得られるわけです。 ホイールからのぞく重厚感のある対向型キャリパーは、クルマの性能 そのものを物語っています。



●対向型ブレーキ装着の主な車種●
主な装着車種
トヨタ セルシオ
スープラ
セリカ
ランドクルーザー
ハイラックスサーフ
日産 フェアレディーZ
スカイライン
シルビア
三菱 GTO
マツダ RX-7
富士重 インプレッサ


【課外編】

ブレーキの最高峰「アルミ対向型4ポット(シリンダー)ブレーキ」を量産して いるのは、世界でも「brembo」と「SUMITOMO」の2社だけです。
もし見る機会があったらブレーキの裏側を見て下さい。そこには知る人ぞ知る 「SUMITOMO」の名前がしっかり刻み込まれいます。

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