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クルマの停止距離

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クルマの停止距離




クルマはどれくらいの距離で止まることが出来るのでしょうか。
最も一般的な答えは国土交通省の自動車事故対策センターが95年より発表している ブレーキ性能試験 から求められます。

この試験は前席に2名乗車し時速100kmから目一杯ブレーキを踏んだ時の停止距離と 停止姿勢を評価しています。
たとえばトヨタヴィッツは乾燥路面で45.8m、濡れた路面で49.6mとなっています。 この値はプロドライバーが運転した場合ですので最短停止距離と見なしてください。 一般的には乾燥した路面の方が濡れた路面より、乗員が少ない方が多い方より短い停止 距離となります。また速度が2倍になれば停止距離は約4倍に、1/2になれば1/4になる ことは覚えていて損はないですね。

さて停止距離についてもう少し詳しく見てみましょう(下図を参照ください)。



停止距離は空走距離と制動距離からなっています。
空走距離とはブレーキをかけようとした時から実際にブレーキがかかるまでの間(空走時間)に クルマの進む距離です。この空走時間は人間の判断時間、ペダルの踏み換えなどでどうしても 生じるものであり通常は0.7秒くらいです。この間の空走距離は100km/hでは19mにもなります。 お年寄りの方とか、疲れた時などはこの空走時間が多くなり益々停止距離が長くなります。
制動距離はブレーキの踏み方に一番影響されます。強く踏めば踏むほど短くなります。

最近はほとんどのクルマがABS付ですので強く踏んだからといってクルマが安定して止まれないとか, ハンドルが利かないとかということはありません。停止距離を短くするには目一杯踏んでください。 そのためには常に運転姿勢はキッチリとし、力の入りにくい厚底靴などははかないようにしましょう。
実際の停止を考えますと,停止距離を短くする以外に知覚時間(その間の空走距離)を 短くすることが必要です。この知覚時間は例えば障害物が目に入った時からブレーキをかけよう とする時までの時間です。この間、障害物に視線を向ける,焦点を合わせる、障害物と確認するなど の時間がどうしても必要なわけです。通常この時間は1.5~2.0秒といわれています。 100km/hではこの間で42~56mもクルマが走ってしまいます。
走行中の携帯電話の使用、よそ見、TV観戦などはもってのほかですね。

→交通事故総合分析センター発表の 「厚底靴を履いての運転は危険!」



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