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2輪車の前後連動ブレーキ・システム

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2輪車の前後連動ブレーキ・システム


かつては、2輪車といえば日本というイメージでしたが、最近は国別生産量では、1位を中国(約1000万台) 2位をインドに譲って日本は3位で200万台弱だそうです。しかしながら、技術はやはり日本が断然リードしています。 WGPをはじめ、あらゆるレースでの日本車、日本人ライダーの活躍はうれしい限りです。 
また、電子制御エンジン、アイドル・ストップ、電動自転車、 つい最近では2輪では難しいと言われてきたエアバッグシステムも登場しています。


今回は、それらの先進技術の中から連動ブレーキ・システムをご紹介しましょう。 
通常2輪車のブレーキ・システムは前輪用、後輪用とお互いに独立しています。
ブレーキングは後輪単独、前輪単独あるいは前後同時に行います。日頃ミニ・バイク はおろか自転車にも乗らないド素人の筆者などは、たまに乗ろうものなら、交差点 で前の車に追突しそうになったり、転倒しそうになったりと冷汗ものです。
ところが、最近は素人ライダーでも安全・快適にブレーキングできる連動ブレーキ ・システム(メーカによってはコンビ・ブレーキ、デュアルコンビ・ブレーキともいいます) が普及してきました。当初はクルージングを楽しむ大型車に搭載されていましたが 最近では、スクータ、ミニバイクなどにも搭載されているようです。

この連動ブレーキ・システムは、左レバー(スクータ)あるいはブレーキ・ペダル(2輪車) を作動させると、前後輪同時にブレーキが働くものです。自動車のX配管ブレーキ ・システム(雑学講座26参照)と同じです。
前後輪独立ブレーキ・システムですと、後輪ブレーキのみを作動させた場合、後輪が ロックした際、後輪タイヤのサイド・フォースがなくなり、後輪が横滑りし、車両の不安定 につながります。前輪ブレーキのみの場合、前輪がロックした時は、ハンドルが効かなくなる ことがあります(操縦性がなくなる)。さらに、前後輪ブレーキを同時に作動させた場合も 前後レバーの操作加減が適切でないと車両安定性、操縦性などの問題が出ることがあります。

それに対して、連動ブレーキ・システムは、左レバー(あるいはブレーキ・ペダル)を引くだけで 前後輪のブレーキ力バランスを適切にしてくれますので、車両安定性、操縦性を確保 しながらしかも短い距離で止まってくれます。雨の日などは特に効果を実感するので はないでしょうか。
レースあるいはモータースポーツ・ライダーは、「こんなものは2輪車のブレーキではない」 といわれるかもしれませんが、素人向けにはなかなかの優れものです。
なお、最近の大型2輪車では、これに加えてABSも装着されより安全性を高めています。 これからも環境にやさしく、安全、快適でしかも乗って楽しい2輪車が出てきて欲しいものです。
(参考)2輪車のディスク・ブレーキについては雑学講座33,34「バイクのブレーキ」を参照して下さい。


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